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2016年7月27日 (水)

出光のお家騒動

最近、出光興産と云う会社のお家騒動が報じられているが、、、

石油元売り大手2位の出光興産の創業家が、5位の昭和シェル石油との
合併計画に反対していると云う問題。
出光の現経営側と、約34%(議決権ベース)の同社株を持ってる創業家の
協議で、経営側は合併の目的である経営基盤の強化などを説明したのに
対して、創業家が合併反対を訴えている問題。
今のところ平行線のままの様だけど、、、?

これは良くある話で、私も以前勤めた会社で経験したが、、、
オーナー企業が時の流れで、ある時その経営権が別人に移った時、
それが例え他社との合併話でなくとも、必ずと云って良いほど起こる問題。
最近の酷い話の場合、例えばあの大塚家具の様に経営権が他人でなく
自分の娘であってもだ。またロッテ・グループ等の身内の騒ぎも同様!

つまり創業者側としては、艱難辛苦して起業し、自ら育て挙げた我が子
同然の会社には当然執着心が強いから、別人の経営方針とは当然
そぐわない。今回の出光興産の場合も、報道によると出光創業時からの
経営理念、家族的社風 等々が合併によって外部資本が入る事により
失われる事への危惧などがその主な反対理由? と云われているが、、?


◎出光の経営理念、家族的社風とは?
、、、
そこで思い付いたのが?、以前読んだ事がある本、「海賊とよばれた男」Photo_2この本は出光興産の創始者である出光佐三 の自伝的小説で、、、
戦前から戦後の激動の時代の中、一代で出光を巨大企業に作り上げた
出光佐三、と云う人物の話。著者は「永遠のゼロ」の百田尚樹、、、
上下二冊の長編ノンフィクション大作!
                 、、、涙なしでは読めない感動の傑作だった。

◎話のあらすじは、、、
【※】日本の敗戦の日から物語が始まる、、石油小売り業の「国岡商店」を
率いる国岡鐵造(出光佐三)は、戦争でなにもかも失って残ったのは
莫大な借金のみ。 その上、大手石油会社から排斥されて売る油もない。
しかし国岡商店は社員を一人も解雇せず、同業他社が手を付けなかった
旧海軍の残油浚い等を一手に引き受ける等して、徐々に再生していく、、、

途中から話が明治時代にさかのぼって、、、
国岡鐵造は学歴的にはエリート学生で、周りの友人は皆大手企業に就職
する時代、一人彼は独立を考えていた。周囲からは非難嘲笑されながらも
社員数名の個人商店に丁稚奉公同然で入社。
そこで自ら起業するのに必要なビジネスのノウハウを数年で吸収し、、、
やがて1911年(明治44年)25歳で「国岡商店」(出光商会)を立ち上げる。

自分の商店の独立にあたって、赤の他人から現在価値で約1億円を、、、
「返済不要、利子不要、事業報告も不要」と云う破格の好条件で資金提供
を受けた。その人物は自らの家を売って会社設立の為の資金を捻出し、
心底信頼していた国岡鐵造(出光佐三)に資金提供した。
赤の他人が何故そこまで、、、?

その出資者との出会いの切っ掛けは、国岡鐵造がその人物の息子の
家庭教師をしていたと云うのが始まりだった。
一切妥協せずに怠け者の息子を叱責しながら教育する鐵造の姿を見て、
出資者は鐵造を信頼できる青年だ! と思ったのが切っ掛けだったらしい。

赤の他人との偶然の出会い、それが切っ掛けで心底惚れ込まれ、出資に
至らしめた国岡鐵造(出光佐三)と云う人物が、人間として只者ではない
ところなんだろう!

また本のタイトル、国岡鐵造(出光佐三)は何故海賊とよばれたか?
国岡商店を開業した後、鐵造が20歳代の終わり頃、若い従業員達と
一緒に手漕ぎの伝馬船に乗って瀬戸内海の海上で油を売りまくっていた。
そんな危険な商売は他社は一切やらない、、それで“海賊”と呼ばれた!
つまり常識に捉われず他人がやらない事を躊躇なくやる実行力 の人。

やがて時代は大正時代と変わり、、、
国岡鐵造は満州へ渡る。酷寒の地 満州で車軸油が凍結し貨車のトラブル
が続出していた南満州鉄道に、試行錯誤しながら独自に開発した車軸油を
無償で提供。何回も現地で試験を行い、やがて車軸凍結事故を一掃、、!
その結果、南満州鉄道に自社の車軸油の継続納入に成功!
1927年(昭和2年)満鉄創立20周年の時に満鉄から表彰される。
それほど、、、
他人が投げ出す事を人一倍の努力と探究心で解決へと結びつける能力。

満州での躍進を経て、やがて日本は戦争へと突き進んでいく時代、、、
この辺りは省略し、、、1940年(昭和15年)、国岡鐵造は現在の前身、
出光興産株式会社 を設立! 、、ここで物語は冒頭の【※】へ戻って、、、

敗戦後の数々の艱難辛苦が続き、紆余曲折を経ながら、、、やがて、
1946年(昭和21年)には国際石油カルテル独占を規制することを建言。
当時の欧米の国際石油メジャーの独占に一貫して対抗していく。

その後、出光興産は元売業者の指定を受け1950年(昭和25年)には、
戦後復興のため石油製品の輸入を主張。そしてその翌年、あの有名な
日章丸 (二世) を建造、「消費者本位の石油政策」 を発表するに至る。
とにかく国岡鐵造(出光佐三)は、戦後の混乱期を自社の利益より、
日本国民の利益を優先させる経営方針を貫いていく。

1953年(昭和28年)5月、あの日章丸事件 が起こる。
これは出光がイランから内々に直接石油輸入を敢行した事件。
まかり間違えばイギリスと日本が一触即発の争いになる大事件だった。

小説の中でもその往復航路が正にスリル満点! 一番面白い場面だった。
秘密裏にインド洋経由、[注] ホルムズ海峡 を通過してイランのアバダン
港へ、、、
この事件当時、私は当時11歳(小5)で何となく聞き覚えがあったが、
詳細はもちろん知らず、、、!

後年分かったのは、、、
石油大国のイランは、自国の石油を売りたくても、当時その石油権益を
持っていたイギリスとの関係で自由に売る事が出来なかった。そこで、、
国有化した結果、イランとイギリスはその権益を争って係争中だった。

Img6そんなイランとの秘密交渉に成功した出光は、アバダン
港からガソリンと軽油を満載し、川崎港へ戻り着いた。
その時に使用されたのが上記 出光興産の自社タンカー、
日章丸 だった。結局、この事件はイギリスと出光との
裁判になったが、出光側が勝訴して決着。

その後1957年(昭和32年)以降の国岡鐵造(出光佐三)は、、、
徳山や千葉に製油所を創るなど、原油輸入から精製加工まで一貫した
巨大石油コンビナートを建設したり、、、常に日本の石油産業に貢献。
そして、1981年(昭和56年)3月、95歳で逝去。この長編小説もここで完!




◎ここで今回の出光のお家騒動に話を戻すと、、、
合弁予定相手の昭和シェル石油はオランダに本拠を置くロイヤル・ダッチ・
シェルグループに属し、それはサウジアラビア系の別会社とも株式が関連
している。つまりイランと出光は上記の様に昔からの古い取引相手だが、
昭和シェル石油は、イランとは相対するサウジアラビア系との関連が強い。
その点も出光創業家の今回の合弁を躊躇させてる要因の一つでは?
出光としてはイランとの義理と信頼関係を重視しているのでは?
                                   以上、あくまでも素人の勘ぐりだけど、、、?^_^)

石油は戦前から戦後にかけて長年、セブンシスターズ、と呼ばれる
国際石油資本、いわゆる石油メジャーと云われる七大企業がほぼ独占、
牛耳ってきている。
Photo_2出光の出光佐三 は、戦前から戦後にかけて終始この
石油メジャーに抵抗。
日本の為に一貫した経営で出光興産の石油を国民に
提供してきた。
20世紀の世界では、各産業を興し、その権益をめぐって
争ったり、挙句は戦争の火種となった巨大エネルギー
である石油。その石油を武器として世界と闘った男、、、
それが、、、出光興産の創業者・出光佐三 だった!


◎最後に、、、
Idemitsu_2
昔、子供の頃から街角のガソリン・スタンドの看板を見て、
丸善石油とか大協石油、等々の記憶が残ってたが、、、
その中でも特に出光の看板とロゴが自分の印象に強く
残っていた。

そしてこのノンフィクション「海賊とよばれた男」 を読んで、、、
それまで漠然としか分かってなかった、いわゆる国際石油メジャーなど
初めて世界の石油業界の内情が少し分かった様な気がする。
そんな意味でもこの本は大いに参考になった。

今回、、、
本当はブログ・タイトルの「お家騒動」より、出光佐三 と云う偉大な
人物に興味津々だった。我々日本人が古くから大切にしてきた和の
精神や互譲互助の精神、自分たちの利益ばかりを追求するのではなく、
世のため人のために事を成す、、、
    、、、この人こそ日本人としての誇りを貫いた真の日本人だった!



◎この本の著者、、、今やあの「永遠のゼロ」「カエルの楽園」
「黄金のバンタムを破った男」、等で、売れっ子作家となった百田尚樹

この人は、、、
27721巷では暴言はばからない右翼オヤジ、等と思われて、
確かに強烈な毒舌を吐く場合もあるが、本を書かせたら
「永遠のゼロ」で泣かされ、この「海賊とよばれた男」でも、
またまた泣かされた私の好きな作家!
また、この人の思想的にも、その歯に衣着せぬ物言いも
私は大好きな人だ!逆にそれが嫌いな人も多いけど?^_^)


「カエルの楽園」も読んだが、今の日本の平和ボケ、ノーテンキ族、特に
日本に蔓延る左翼メディアを大いに皮肉った政治パロディーで大変面白
かった。その他、何冊かの本も読んだが変わったところでは、、、

「至高の音楽」、、、これは作者がクラシック音楽にも造詣が深い人で、
ご自分の推奨するクラシックの永遠の名曲を紹介した本だった。
よくある音楽評論家の気取った解説書ではなく、この人らしい素直な
文章に好感が持てた。
     、、、そして右翼暴言オヤジらしからぬ根は優しい人だった!^_^)

◎参考資料
出光興産
出光佐三
石油元売
国際石油資本 (以上、Wikipedia)
出光佐三の「大家族主義」はどこへ行った?(産経ニュース)


◎関連ブログ記事
「永遠のゼロ」
誰が 『永遠の0』 を問題にしているのか? 
訃報、オマー・シャリフ
Futabasose35002
[注] ホルムズ海峡 に関連して、、、
安保法案、特にホルムズ海峡の重要性など、
我が国に於ける原油等エネルギー問題を
考える時、中東問題に無関心であっては
ならないのだッ!)

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