懐かしの映画(27) 『慕情』
4、5日前だったか? 何気なくテレビのBSチャンネルをチェックしてたら、、、
ちょうどアメリカ映画の 『慕情』 をやってた。
この映画は過去1、2回観ているが、最初はこの “懐かしの映画”シリーズ
で書いてる他の殆どの映画と同じく、20歳代に長崎の映画館で観た。
次はブラジル在住時代にレンタルのVTRテープで観たのが最後だった?
と記憶している。それから約30年ぶりだったので懐かしく、結局テレビを最後まで観てしまった。
『慕情』(Love Is a Many-Splendored Thing)
監督:ヘンリー・キング
原作:ハン・スーイン
主演:ジェニファー・ジョーンズ、ウィリアム・ホールデン
音楽::アルフレッド・ニューマン
(主題歌作曲:サミー・フェイン。第28回アカデミー賞歌曲賞 受賞作品)
製作:20世紀フォックス
公開:1955年8月
中国人の父と、ベルギー人の母の血を引く混血女性の作家、医師
ハン・スーイン の自伝をもとに映画化したもの。
サミー・フェイン作曲による、あの懐かしい主題歌は映画音楽史上の名作と言われ日本でも大ヒットした。(下段の You Tube から聴けるよ!)
◎この映画は一口で云えば 単なる悲恋ラブ・ロマンス、、、、、
だから私が20歳代のまだ若かった頃に観た感想は正直、あまり感動したとか、良い映画だった、とかは思わなかったが、、、、、?
しかしその後、半世紀ほども経った今また観たら、そんなラブ・ロマンスも
また何となく淡く、悲しく、そして美しく感じてしまったのだッ!
それって歳のせい?
また、この映画は私の海外生活最後の10年間となった 香港 が舞台、、、
香港をまだ知らなかった頃でも、“香港” と云えば最初に思い出してたのが、この映画 『慕情』 と、上記のテーマ・ソング、、、、、
♪Love is a Many Splendored Thing♪ だったのだ!
だからHPのメニュー 『光頭老の手紙 From:Hong Kong』 でも、真っ先に
この 映画の舞台となった、香港島の ビクトリア・ピ-ク を紹介している。
今回改めてまたこの映画を観て、もし香港時代にこの映画を思い出して、VTRか何かで観てたら、映画の中で出て来る実際の香港の街中など、
各シーンを確かめに歩いて見たり、、、そんな事も出来たのにな~、、、
残念だったな~! と、今頃になって思った。
主演のジェニファー・ジョーンズ、、、懐かしの映画(9)『黄昏』 では、特に色気ムンムンの美人、って訳ではなかったけど、この映画でのチャイナ・
ドレスが似合う容姿が素晴らしく、上品で気品さえ漂う素晴らしい女優さんだった事を再確認。
一方、ウィリアム・ホールデン は「麗しのサブリナ」、「ピクニック」、
「戦場にかける橋」、「タワーリング・インフェルノ」、等々数多くの作品に
出演しているハリウッドの二枚目俳優。
◎あらすじ、、、
時は 1949年の香港、、、と云えば分かるだろう! ’45年に第二次世界大戦が終わった後、中国共産党によって現在の中華人民共和国が建国された年でもあり、また 朝鮮動乱 が勃発する前年 だった!、、、
つまり中国、朝鮮がまだ不安定な時代だった、、、。
この時代背景が重要なのだッ!
映画の設定では、イギリス人を父とする混血娘のハン・スーイン(ジェニファー・ジョーンズ)。第二次大戦終了後のイギリスの植民地の香港。
ハン・スーインの夫は中国国民党の将校で国共内戦で戦死していた。彼女は戦死した軍人の夫を想って失意の日々を送っていたが、医者として人々への献身に生きる決断をし、、、やがて香港の病院で勤務医として働いていた。
そんな時、彼女はアメリカの新聞記者マーク・エリオット(ウィリアム・ホールデン)と知り合う。そしてお互いに惹かれて、間もなく二人は恋に落ちるが、、、
しかし、実はマークには別居中の妻がシンガポールに居て、夫婦関係は
うまくいってなかった。
そこにもってきて美人で優しいハン・スーインと恋に落ちたもんだから、これがチャンスとばかり? マークは妻と正式に離婚してスーインと結婚すると誓った。そして離婚の話し合いのためシンガポールへ行くがうまくいかず、、
スッタモンダ、、、ある日、マークが出張でマカオに行く時、周囲の反対を押し切ってスーインも同行、楽しい週末を過ごすが、、、
やがて二人の関係は香港で噂となる。
つまり親戚一同からも、勤務先の病院内でも、あまり良い噂ではなかった!、、、そりゃ~当然だろうね、中華系ハーフの後家と、女房が居るアメリカ中年男との恋愛、 否ハッキリ云えば不倫だからね~!
一方、その頃の中国本土では、大陸の殆どの地域は国共内戦の末に、中国共産党率いる中華人民共和国が支配するようになっていた。
つまり蒋介石が台湾に逃げ、毛沢東支配が確立していた頃!
そんな時に病院の中華系理事長?から、「中国は共産党が政権を把握したので今後ますます立派な国になる。だからスーインも生まれ故郷の大陸に戻って仕事を続けるべきだッ!」、と強く説得される場面、、、、、
ここでスーインさん曰く 『そんなに共産党が良いのなら何で今、多くの中国人が大陸からここ香港に逃げて来てるの? 共産党が嫌だからでしょう?』、、、一語一句は異なるが、とにかくそんな意味の反論をする。
これぞ正論、よくぞ言ってくれましたッ!、、、、、、
、と独りで映画を観ながら拍手!^_^)
話を戻して、、、、、
間もなく、朝鮮戦争が起こり、マークは従軍記者として派遣されるが、そこで前線で戦況を取材中に敢えなく戦死してしまう。
新聞でそれを知ったスーインは悲しみに暮れて、マークと共に永遠の愛を語り合った思い出の丘の上へ行く、、、、、
そこで映画はThe End !
◎テーマ・ソング ♪Love is a Many Splendored Thing♪ を聴いてッ!
⇒ http://www.youtube.com/watch?v=VP6sbDPB8cw
◎ラスト・シーンのカットも!
⇒ http://www.youtube.com/watch?v=goD9ZezCMoA
◎以下、例によって余談だけど、、、
先ず、上でも紹介したけど、「ひととうり Hong Kong を知ろう!」
そして、ついでに是非これも参考までに、、、、、
「香港返還15年」 と、「香港の山の魅力」 をご覧あれ!
そして、前記したように、映画の中で出て来る実際の香港のシーン!
特にあの二人が愛を語り合ったあの場所、丘はどこに?
主人公がその丘を見上げるバックの風景は中環(Central)辺りみたいだが?、、、
今から6年半前まで、10年間在住していた香港の風景を必死に思い出そうと、、、!
この写真の高度感! そして右端の建物の登楼の断片は何処かで見た様な気もするが? 似たような建物は香港に沢山有るのでね~?
しかも同じ香港でも、映画でのロケ・シーンは今から半世紀以上も昔の香港だから現在とは様変わりしてるだろうし!
一番可能性が有るのは、香港島をハイキングした この時 の、←この写真の手前、後ろ側周辺じゃないかな~?
ここは Victoria Harbour (ビクトリア港) を望む香港島の北側(対岸は九龍側)で、その西側から中環辺りに向かう海外線を、ビクトリア・ピーク の麓付近から私が撮ったものだけど、この場所の後ろ側辺りに、映画のあの丘が有ったのでは? あるいはゼンゼン違うのかな~?^_^)
また、主人公の勤務先兼住まいであった 東華医院(Tung Wah Hospital)
、って~のは念のために調べたら今でも有るようだ。但し、何せ50年も昔の話なので、同じ病院かどうか?
場所も上の写真の中環から少し西側にあるが、映画に有ったような高い
場所ではなさそうだし?
←因みに映画の舞台となった ビクトリア・ピーク 、って山そのものは海抜552m の小山。(左の写真の右端の山)、、、
ここは何と云っても香港を代表する観光スポット!
しかし今時の人は映画 『慕情』 の舞台だった事など、ほとんど知らないだろう!
頂上近くまであの有名なトラムで登ったら、あとは頂きまで徒歩で簡単に登れる。この時 は天候が悪かったけど、、、!
◎以下、これまでに書いた“懐かしの映画”シリーズ
(27) 『慕情』
(26) 『老人と海』
(25) 『アラビアのロレンス』
(24) 『リバティ・バランスを射った男』
(23) 『ヒッチコック特集』
(「めまい」、「サイコ」、「鳥」)
(22) 『ゴッドファーザー』
(21) 『荒野の決闘/OK牧場の決闘』
(20) 『太陽がいっぱい』
(19) 『ソフィア・ローレン特集』
(「島の女」、「楡の木陰の欲望」、「ひまわり」)
(18) 『マリリン・モンロー特集』
(「ナイアガラ」、「帰らざる河」、「バス停留所」)
(17) 『ジェームス・ディーン特集』
(「エデンの東」、「理由なき反抗」、「ジャイアンツ」)
(16) 『チャールトン・ヘストン特集』
(「十戒」、「大いなる西部」、「ベン・ハー」、「猿の惑星」)
(15) 『眼下の敵』
(14) 『戦艦ポチョムキン』
(13) 『黄金の腕』
(12) 『片目のジャック』
(11) 『白鯨-Moby Dick』
(10) 『真昼の決闘』
(9) 『黄昏』
(8) 『死刑台のエレベーター』
(7) 『渚にて(On the Beach)』
(6) 『禁じられた遊び』
(5) 『捜索者』
(4) 『カサブランカ』
(3) 『シェーン』
(2) 『自転車泥棒』
(1) 『駅馬車』
◎上記以外で過去に書いた映画関連の雑記事。
エマニエル夫人 死亡!
映画監督 若松孝二
11・25自決の日
刺青、入れ墨、TATTOO
時代劇もろもろ
ロマン誘う タイタニック
蝉が鳴かない?
ベン・ハーと忠臣蔵
/クロッシング
父の日のTVドラマ
悪人?も地元では人気者だった!
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