懐かしの映画(19) 『ソフィア・ローレン特集』
この“懐かしの映画”シリーズ を書き始めた2009年7月以降、いつかは必ず書こうと思っていた“ソフィア・ローレン” 。
1934年生まれと云うから、現在御年79歳! まだお元気な様子。
ハリウッド女優、イタリア女優、フランス女優、等々、、世界の映画界には美女がワンサと居て、私が洋画狂いだった20歳代頃は、そんな彼女らの色香に翻弄されていた年頃でもあった。
そんな中で特にイタリアが生んだ世界的大女優 “ソフィア・ローレン”。
彼女を最初に銀幕で観たのが、後述の 『島の女』、って云う映画だった。
あの時の強烈な印象は未だに忘れられないほどショックだった!
その彫りの深い顔、肉厚で官能的な唇、妖艶で はちきれんばかりの肢体、艶めかしいグラマラスな姿態を観て以降、夜な夜な布団の中で独りモンモン! なかなか眠れなかった事を思い出す(^_^)。
世の中にこんなにも魅力的な女が居たのか!、、、と。
“ソフィア・ローレン”は、ハリウッド映画、イタリア映画など、あまりにも数多くの映画に出演、私もかなりの数を観たが、その中で私が特に気に入った3本の映画だけを以下に紹介したい。
『島の女』(Boy on a Dolphin')1957年、アメリカ映画
監督:ジーン・ネグレスコ
出演:アラン・ラッド、ソフィア・ローレン、他。
S・ローレンが23歳の時の初めてのアメリカ映画主演作。
上記した様にS・ローレンの若い肢体が魅力的な作品。
主題歌の♪Boy on a Dolphin'♪ 「イルカに乗った少年」 が日本でも大ヒットした。
◎主題歌の「イルカに乗った少年」⇒http://www.youtube.com/watch?v=MDMiUPcZst8&feature=player_embedded
(映画の中でS・ローレンがこの歌を唄うシーンは ジュリー・ロンドン の吹替え。)
ストーリー概略は、、、
ギリシャ、エーゲ海の島で海綿を採るのが生業のフェドラ(S・ローレン)は、
ある日海底で古代の秘宝のイルカに乗った少年の黄金像を見つける。
実は、このエーゲ海の海底に眠る古代の秘宝は、約2000年前に沈んだ宝物船だった。
この話をアメリカ人考古学者コールダー(アラン・ラッド)や収集家に打ち明けたことから、欲に目の眩んだ収集家は像を独占しようと策謀を巡らすが、、、、
この映画は、ギリシャ、エーゲ海のエキゾチックな風景をバックに、秘宝をめぐる冒険とロマンスを描いた海洋サスペンス・ドラマの創りだが、主演のアラン・ラッドもその他の脇役も全て影が薄く、ソフィア・ローレン だけが引き立たってしまったような映画。
私が思うに、、、あの 『シェーン』 のヒーローだった アラン・ラッド は、男にしては なで肩で体格的にも華奢な方、だからこの映画でグラマーな ソフィア・ローレン と並んだらどうしても見劣りしてしまったな~!
◎テーマ音楽にのった映画の1シーン⇒http://www.youtube.com/watch?v=x_l2v71uD4U
(海底で問題の「イルカに乗った少年」の黄金像を発見するシーンも!)
『楡の木蔭の欲望』(Desire Under the Elms)
1958年 アメリカ映画
監督:デルバート・マン
原作:ユージン・オニール
主演:ソフィア・ローレン、アンソニー・パーキンス、バール・アイヴス、他。
この映画はもともとユージン・オニールの、人間の欲望と葛藤を掘り下げた原作の戯曲を映画化したもの。
一種のミステリー・サスペンス・ドラマ。ここでもあの 「大いなる西部」 の
パール・アイブス が熱演、そして ソフィア・ローレンは悪女役!
その概要は、、、、、
楡(にれ)の大樹の繁るニュー・イングランドの片田舎にバール・アイヴス扮する60歳を過ぎた農夫がいた。彼はまだ壮健で自分の土地に強い執着心を持っていた。また彼は強欲で頑固で物欲と色欲の塊のようなジジィーだった。
そしてある日突然町から若い妻(ソフィア・ローレン)をつれて帰って来る。
彼には既に3人の息子、若いアンソニー・パーキンスと、二人の異母兄弟が居た。三人とも土地に執着心をもち、彼等を一人前に認めぬ父を憎んでいた。特にA・パーキンスは、土地の大部分が亡き母の遺したものだっただけに、父への憎悪が激しかった。
この父親と若い妻のS・ローレン、そしてA・パーキンスとの三つ巴の愛憎劇が凄まじい! 近親相姦あり、、嬰児殺しあり!
そんな何でもありの結末や如何に?
『ひまわり』(I Girasoli)
1970年のイタリアの反戦映画。
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
(あの「自転車泥棒」の名監督)
音楽:ヘンリー・マンシーニ
主演:マルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレン、他。
1970年の作品だから、ここの 『懐かしの映画』 シリーズの中では比較的新しい方だけど、、、新しいと云っても今から40年以上も前になるな~!
これぞ、さぁ~寄ってらっしゃい、観てらっしゃい! 観るも涙、語るも涙の物語、止まらない涙に目を腫らした名作中の名作!
この映画は ソフィア・ローレンが36歳の時の作品!
さすがに若い頃とは違うが、それでもその美貌は相変わらず!
音楽を「ティファニーで朝食を」 などで有名なヘンリー・マンシーニが担当し、公開当時には主題曲も日本でヒットした。
◎これがその有名なテーマ曲⇒http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=2O6-LLRdwmQ
戦争によって引き裂かれた夫婦、そして最後は互いに別の道を歩む人生の悲哀を、これでもかッ! とばかりに デ・シーカ 監督が訴える。
物語の概要は、、、
第二次世界大戦終結後のイタリア。大戦中に出征したけど、その後行方不明になった夫の消息を求め、毎日のように役所へ問い合せする女性が居た、、、、、
時は遡って大戦中のイタリア。洋裁で生計を立てるS・ローレンとアフリカ戦線行きを控えた兵士、M・マストロヤンニは海岸で出会い、すぐに恋に落ちて即結婚、、、その辺りが如何にもイタリアーノ!^_^)
しかし熱々の新婚生活もわずか12日間の結婚休暇ではアッ と云う間に過ぎてしまう。そこで新婚生活に未練たっぷりな兵士、M・マストロヤンニは、兵役を逃れようと仮病を試みるが?、、、結局バレてしまう。
結果、当然の事ながら軍から懲罰を喰らって、極寒のソ連戦線 へと送られてしまう。(もし大日本帝国軍人だったら銃殺刑だったかも?^_^)
(こんな事になるんだったらアフリカ行の方がまだましだったかも?、、と思ったかも?^_^)
とにかく、これが二人の運命の別れ道だった!、、、お後は映画を観てのお楽しみ!
巨匠ヘンリー・マンシーニの名旋律! 夏の残照と共にやがて萎れゆく、自らの運命を待ち受けるスクリーン一杯のひまわり!
それはS・ローレンとM・マストロヤンニの永遠の別れの象徴だったのか?
映画の設定では、ソ連の地平線まで広がる ひまわり畑だったが、70年当時の米ソ冷戦時代、ソ連ロケは困難を極め、実際のひまわり畑はスペインでの撮影だったとか?
◎日本版予告編⇒http://movie.walkerplus.com/mv12093/trailer/
◎映画の一部シーン⇒http://www.youtube.com/watch?v=GmT1q8RhSUc
◎以下、余談ながら、、、
この映画の結末をバラしてしまう事にもなるが、、、今次大戦中に同じような運命を辿った日本人兵士も居たのだ!
HP「今日の独り言」⇒http://www.nurs.or.jp/~yide/diary/diary6.html
(2006年4月27日 記 参照)
その詳細は⇒http://www.japanese-page.kiev.ua/jpn/news-from-ukraine_moto-heishi.htm
つまり終戦後、日本に残した親兄弟、妻子、或いは許婚者(いいなずけ)を気にしながらも、結果的に中国東北部 (満州)や、旧ソ連、或いは東南アジア等から帰国できずに残留してしまい、やむなく現地人と結婚、定住してしまった元日本兵。まさに 戦争の悲劇 としか言いようがない!
◎もう一つ余談ですが、、、
ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ、、、この二人のコンビ映画はコメディを含めて沢山ある。
言い方を変えれば、ソフィア・ローレン の相手役男優は、同じイタリアーノのマルチェロ・マストロヤンニ が一番良く似合う。
ハリウッド男優では、やっぱりもう一つシックリこない! 、、、
(、、、と感じるのは私だけだろうか?)
そして、私が若かった頃、こんな二人がイチャ・イチャする映画を観て、
M・マストロヤンニは典型的なイタリアーノ助平男にしか見えなかったが、
しかし、、、本心では羨ましかったな~!^_^)
◎以下、過去に書いた“懐かしの映画”シリーズ
(18)『マリリン・モンロー特集』
(「ナイアガラ」、「帰らざる河」、「バス停留所」)
(17)『ジェームス・ディーン特集』
(「エデンの東」、「理由なき反抗」、「ジャイアンツ」)
(16)『チャールトン・ヘストン特集』
(「十戒」、「大いなる西部」、「ベン・ハー」、「猿の惑星」)
(15) 『眼下の敵』
(14) 『戦艦ポチョムキン』
(13) 『黄金の腕』
(12) 『片目のジャック』
(11) 『白鯨-Moby Dick』
(10) 『真昼の決闘』
(9) 『黄昏』
(8) 『死刑台のエレベーター』
(7) 『渚にて(On the Beach)』
(6) 『禁じられた遊び』
(5) 『捜索者』
(4) 『カサブランカ』
(3) 『シェーン』
(2) 『自転車泥棒』
(1) 『駅馬車』
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