懐かしの映画(21) 『荒野の決闘/OK牧場の決闘』
2020年、私はその時生きてるか? そんな7年も先の話の東京五輪はもちろん、福島原発問題、その他モロモロ あの時 以来、最近の世相 にはあまり関心が沸かなくなってしまった!
ただ外交防衛問題だけは気になるけど!
新聞やテレビ観て、腹が立っても以前みたいにブログでわざわざ書く気にならない。
それよりも昔、自分が若かった頃の懐かしい出来事が思い出される
今日この頃。映画もその一つだ! やっぱり歳とったんだろうな~!(涙)
それとも大病を患って弱気になったのかも?
てな訳で、今日の“懐かしの映画”、そのタイトルを 『荒野の決闘/OK牧場の決闘』、としたのは、、、?
『荒野の決闘』 と 『OK牧場の決闘』 はそれぞれ別の映画だけど、
その扱っている内容がアメリカ西部開拓史上、実際に起こった事件なので、ここでまとめてみた。
その事件とは、、、?
ゴールド・ラッシュの1881年、アリゾナ州 トゥームストーン の O.K.コラル
(馬などの家畜舎)近くの路上で起こった銃撃戦。
西部史でも有名な、ワイアット・アープ 兄弟など市の保安官とアープの友人で歯医者のドク・ホリデイ 対 カウボーイ一族のクラントン一家が、OKコラルで対決したのを映画化したもの。
この史実は、過去何本も映画化されてるが、その中で代表的な以下の2本を紹介。
これも他の映画と同様、私が20歳代の頃、長崎の映画館で見たものを、
今DVDで改めて観ている、、、懐かしい!
『荒野の決闘』 (My Darling Clementine)
1946年の古典的アメリカ、西部劇映画。
監督:ジョン・フォード監督(あの 『駅馬車』 の名監督)
主演:ヘンリー・フォンダ、ヴィクター・マチュア、リンダ・ダーネル他。
音楽:アルフレッド・ニューマン
上記した様にOKコラルの銃撃戦を題材としながらも、単なる活劇ではなく、ジョン・フォード監督らしい詩情溢れる古典西部劇の傑作として名高い。
そしてモノクロながら、あの モニュメント・バレー が美しい!
概要は、、、
牛を運んでいた途中、アリゾナのトゥームストンへ立ち寄る ワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)とその兄弟達。だがチョットの留守の間に末弟は何者かに殺され、牛も盗まれてしまった。
その頃、街を牛耳っていたクラントン一家がその犯人である、と睨んだワイアットは、保安官となってトゥームストンに留まる決意をする。ヤクザ賭博師で元歯医者の ドク・ホリデイ(ヴィクター・マチュア)とも知り合い、次第に友情を深めていく。
一方、ドクを追ってやって来たクレメンタインという名の美しい婦人に一目惚れするワイアット。やがてクラントン一家の息子の一人がワイアットの末弟を殺したことが判明、、、
そしていよいよ最後はワイアット・アープ兄弟とドク・ホリデイ 対 クラントン一家が、OKコラルで対決、、、!
印象的なラスト・シーン、、、あのモニュメント・バレーを背景に、愛するクレメンタインに 「俺はクレメンタインという、あなたの名前が好きだ!」、と云って別れを告げ、ワイアット・アープは去って行く、、、! 痺れたね~!^_^)
←そのラスト・シーンに出て来る場所の現在の様子。
クリックすると映画のシーンと交互に入れ替わります!
(この貴重な画像は、下記作者の許可を得て借用致しました!⇒http://interesting.world.coocan.jp/hphp/i/place/monumentvalley/ )
◎この映画ではさすがジョン・フォード監督、配役の巧みなキャラクターと、美しい背景など、アクションよりも開拓期の西部の町の雰囲気に重点を置き、メロドラマとしての面が強い西部劇。
哀感と郷愁をこめて描かれた西部の原点を見事なまでに表現している!
中でもH・フォンダ演じるウブで朴訥なワイアットが、惚れてしまった“愛しのクレメンタイン”と一緒にダンスへ赴く、ウキウキしたシーンなどの演出が憎い!
◎You Tube でお楽しみ!⇒http://www.youtube.com/watch?v=NpyvoIdzZGI
◎緊迫の決闘シーンと最後の別れ⇒http://www.youtube.com/watch?v=OCsXASEw4VA
◎こちらで、そのテーマ曲をお聴き下さい!⇒http://www.youtube.com/watch?v=8vKqqwSWljA
(ここで流れる♪愛しのクレメンタイン♪を“雪山賛歌”と勘違いしないで!)
◎以下、余談だけど、、、
この実際に起こった事件、現在の解釈では表面的には市保安官が銃所持者を武装解除しようとした際に発生した銃撃戦。実際にはアープ組と カウボーイズ組(悪いカウボーイの呼称とか?) とのさまざまな確執の結果であった!、、、と云うのが今日の見方らしい?
いずれにしても、西部開拓時代の名残りか? 今日現在でも相変わらず“世界の保安官”を気取ってるアメリカ、って国は、国内的には毎回銃発砲事件が起こる度に問題視されている、相変わらずの 銃社会 でもある。
ヘンリー・フォンダ、、、いわゆる美男子ではないが、いかにも真面目そうな雰囲気を持っている! 私が観た彼の主演作で気に入ったのは、『怒りの葡萄』、『戦争と平和』、『十二人の怒れる男』、『ワーロック』、『西部開拓史』、『黄昏』、、、。
『大いなる西部』 などのグレゴリー・ペックと同じく、男臭いゴツゴツした所がなくて、極めて紳士の振る舞いがピッタシの俳優だけど、かと言ってひ弱ではなく、逞しい面を表現することも出来る性格俳優だろう。
あの ゆっくり歩き方 に特徴がある! 彼の 『怒りの葡萄』 や 『十二人の、、、』 など、現代劇でも素晴らしい演技力を発揮!
ヴィクター・マチュア 、、、この人は分厚い唇に特徴がある精悍な面構えの良い男だけど、映画は何故か? あまり多くは観なかった。数少ないその中から、『サムソンとデリラ』、『聖衣』、『熱砂の舞』、、、どちらかと云うと歴史スペクタクルが良く似合う俳優だ!
『OK牧場の決斗』(Gunfight at the O.K. Corral)
上記の 『荒野の決闘』 と同じ内容の西部劇映画で、バート・ランカスター がワイアット・アープを、カーク・ダグラス が ドク・ホリデイ役を演じた。『荒野の決闘』 より11年後に出来た作品。
1957年パラマウント作品
監督:ジョン・スタージェス。
出演:バート・ランカスター、カーク・ダグラス、ロンダ・フレミング、他
音楽: ディミトリ・ティオムキン
◎当時、フランキー・レインが唄う主題歌が大ヒット!
この映画は 『荒野の決闘』 の様な詩情とか西部ロマンよりも、もっと単純に娯楽性を重んじて、ビスタビジョンとテクニカラーと当時の最新技術を駆使した大型スクリーンで、アクション味たっぷりな 痛快娯楽活劇。
物語は、、、
そもそも歴史的事実の映画化だから、ストーリーの基本は前出しの 『荒野の決闘』 と ほぼ同じ。しかし、その編集脚本がかなり異なる内容となっている。
牛泥棒のクラントン一家と対決する ワイアット・アープ(バート・ランカスター)、そして元歯医者でヤクザ賭博師に身を持ち崩した ドク・ホリデイ(カーク・ダグラス)との友情、、、この辺りは 『荒野の決闘』 と基本的に同じ。
ただ、『荒野の決闘』 の“愛しのクレメンタイン”は居なくて、その代りにアープは“女賭博師ローラ”(ロンダ・フレミング)とのロマンスが生まれたり、、、、、
さらにクラントン一家には、これまた実在のガンマン、リンゴ・キッド も登場したり、とか、、、にぎやか!
タイトルの“OK牧場の決斗”をクライマックスに、ドクとワイアットの友情物語を中心とした構成も、『荒野の決闘』 と同じながら、『荒野の決闘』では、ドク・ホリデイ は決闘で死ぬが、この“OK牧場の決斗”では生き残る設定となっていた。
そして、この映画は全編をとおして、次から次に展開する見せ場で観客を飽かせない作品だった。
フランキー・レインの歌う主題歌も、オープニングだけでなく大きく物語が転換する箇所にも挿入され、活劇譚の雰囲気を盛り上げる。
またこの映画では、優等生的なワイアット・アープを無難にこなしたB・ランカスターよりも、アウトサイダーらしいドク・ホリデイを狡猾に演じるK・ダグラスの方が光っていた。
◎You Tube でお楽しみを!⇒http://www.youtube.com/watch?v=k2Ic3Bbq0wo
もう一本⇒http://www.youtube.com/watch?v=W5cZK_KtriM&feature=player_embedded
◎以下、余談ながら、、、
バート・ランカスター は良いね~!
その精悍な顔つき、そして何と言ってもその魅力は ニタッ! と白い歯を見せて笑うあの野性味たっぷりの面! あれは彼の主演作でゲィーリー・クーパーと共演した 『ベラクルス』 だった。その他彼の主演作品では『空中ブランコ』、『許されざる者』、『エルマー・ガントリー』、などが印象に残っている。
カーク・ダグラス も好きな俳優の一人だッ!
あの顎のエクボがチャーム・ポイント! そしてこれまた如何にも精悍そのもの。彼の主演作品で一押しは、何と云っても 『バイキング』だろう! その他 『海底二万哩』、『炎の人ゴッホ』、『ガンヒルの決斗』、そしてあの 『スパルタカス』 だろう。歴史スペクタクル映画と云えば、チャールトン・ヘストン だが、カーク・ダグラスもまたその代表格!
◎また話は変わるけど、、、
昨9月13日夜、BS放送でやってたクリント・イーストウッドの 『許されざる者』、1992年の作品らしいが、、、、、
それなりに良く出来た娯楽映画だけど、やっぱり 1960年代後半以降に出来た西部劇、例えばロバート・レッドフォードの 『明日に向って撃て!』 、等々、その他同じく C・イーストウッドの一世を風靡したマカロニ・ウェスタンを含め、活劇娯楽としては面白くても、正直言って 西部の匂いがしない、開拓時代のロマンを感じない。
そんな中、1990年作品、ケビン・コスナーの 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』 はチョット異色!
尚、上記 『許されざる者』 は最近、渡辺 謙主演のリメイク版が上映されてるみたい?
◎以下、過去に書いた“懐かしの映画”シリーズ
(20) 『太陽がいっぱい』
(19) 『ソフィア・ローレン特集』
(「島の女」、「楡の木陰の欲望」、「ひまわり」)
(18) 『マリリン・モンロー特集』
(「ナイアガラ」、「帰らざる河」、「バス停留所」)
(17) 『ジェームス・ディーン特集』
(「エデンの東」、「理由なき反抗」、「ジャイアンツ」)
(16) 『チャールトン・ヘストン特集』
(「十戒」、「大いなる西部」、「ベン・ハー」、「猿の惑星」)
(15) 『眼下の敵』
(14) 『戦艦ポチョムキン』
(13) 『黄金の腕』
(12) 『片目のジャック』
(11) 『白鯨-Moby Dick』
(10) 『真昼の決闘』
(9) 『黄昏』
(8) 『死刑台のエレベーター』
(7) 『渚にて(On the Beach)』
(6) 『禁じられた遊び』
(5) 『捜索者』
(4) 『カサブランカ』
(3) 『シェーン』
(2) 『自転車泥棒』
(1) 『駅馬車』
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